第10回 2012年卒生は、大手企業より、人のためになる仕事

ある人材会社が、2012年卒生約1万名に対して、就職意識調査を行いました。就職観についてたずねた設問では、「楽しく働きたい」が32.6%でトップに。次いで「個人の生活と仕事を両立させたい」(21.2%)、「人のためになる仕事をしたい」(17.5%)と続いています。上位2項目については、01年以降の卒業生が重視する傾向に変わりませんが、「人のためになる仕事をしたい」は、ここ3年でその割合を急速に伸ばしているそうです。

学部系統と男女別に見た場合では、「楽しく働きたい」は女子では文系理系とも3割を超えるのに対し、男子ではいずれも3割を満たしませんでした。また「人のためになる仕事をしたい」と答えたのは、理系男女の方が前年より多く増加しています。

企業志向に関してたずねた設問では、「絶対に大手企業がよい」(6.3%)、「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」(35.1%)となり、大手志向は41.4%と前年から5.6ポイント減少しました。一方、「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」(47.6%)、「中堅・中小企業がよい」(5.8%)となり、中堅・中小志向は前年より5.8ポイント増加し53.4%となっています。大手志向は08年卒以降、減少に転じており、特に女子にその傾向が強く見られるそうです。

企業選択のポイントについては、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」が43.9%とトップとなり、文系理系および男女とも4割を超えています。続いて、「安定している会社」(22.6%)「働きがいのある会社」(22.0%)が上位を占めましたが、「安定している会社」は10年卒以降、年々弱まる傾向にあるそうです。

大手志向の学生が多いと聞いていましたが、実際はそうでも無いという事がわかる調査で、私も少しホッとしました。