今の雇用不安は、単なる景気の低迷だけではなく、日本の正社員を中心とした組織の制度疲労や社会保障、セーフティネットの問題など、他に原因があるとして、様々な日本の雇用問題を提起しています。人材業界で働く私にとって、とても共感できる一冊でした。
特に共感できた事は、正社員中心の日本の雇用制度は限界がきているという点と雇用ニーズは経済活動の必要性から生まれるのであり、経済の活性化を経ずに国が雇用を作り出そうとするのは愚行。というこの2点です。「今や非正規社員の割合が3割を占めているが、現行の社会保障は正社員で働く事が前提となっており、既に限界がきている。今後は雇用の多様化を受け入れ社会保障制度も変化していかないといけない。
また、現行の厚労省の雇用政策は、雇用の少ないパイを分け合っているだけで、新たな雇用を生み出す事はない、経済が発展すれば、必然的に雇用が生まれる」このような提起をされています。日本の雇用問題を考えるきっかけになる一冊です。