第16回 「最近の若手は・・・」と嘆くより、最近の若手を活かす人事制度

成果や利益にシビアで、徹底した競争原理のもと、実力次第で同期との差が大きく開いたり、年齢や年次の逆転が常だったサイバーエージェントが、新しく現代に沿った人事制度を取り入れるそうです。それは、全社員が厳しい競争環境に身を置かなくてもいい人事制度です。この制度を取り入れる理由をブログで伝えています。以下抜粋します。

「実際にピラミッド構造の組織の上位に昇れるのは一握りで、全社員が上を目指す構図には無理が生じます。そこから生じる無駄な劣等感や喪失感のほうが業績的にもデメリットが大きいと判断しました。また、出世の階段を駆け上っていくだけでなく、落ち着いて長く働いてくれる人も大切にするというメッセージでもあります。社内のグレードや昇格を気にせず、貢献度によって評価される新職種が10月からスタートします」(以上抜粋)

この人事制度はこれから主流になっていくのではないかと私も感じました。というのは、現在の若手は、ほとんどが実家暮らし、食うに困る訳でもない、成功する必要もない、競争に勝ちたい訳でもない、出世にも興味がない、借金もない、給料は多ければいいけれどそれより休みが多いほうがいい、こんな状況です。そんな若手に競争原理を働かせても上手くいきません。しかし、これらの若手は顧客や社内の関係者を喜ばせる事にやりがいを感じる人が多いのも事実です。サイバーエージェントは、そんな若手の特徴を上手く人事制度に取り入れました。

また、この人事制度は女性にも効果的だと思います。一時期、勝間和代さんに憧れる“カツマー”が流行りましたが、女性の大半が「勝間さんは凄いと思うけど、別にあんな風になりたい訳ではない。普通に長く働きたいだけ」という方でした。そんな女性たちには救いの制度ではないでしょうか。「最近の若手は・・・」と嘆くより、最近の若手の特徴を把握し、上手く活用できる企業が今後成長していくのだと思います。