ドラッカーの有名な言葉に、「強みに集中せよ」があります。個人にしても組織にしても、弱みを一般レベルに引き上げるよりも、強みを更に伸ばすほうが効果的であるという深い言葉です。
しかし、実際の現場では、「まずは担当業務を任せられるレベルになってもらわないと困る」という考えが主流です。つまり、まず弱みの克服が重要で、強みに焦点を当てるのはそれからだと考えている組織が多いということです。それは、突出した人材よりも平均点が高く無難な人材のほうが組織に馴染みやすいからです。何かの能力に優れているよりも、ミスやトラブルがないこと、何事もそつがなく予定通りにこなしてくれることの方が組織にとっては大切だという考えが多くを占めています。強みを伸ばすよりも、ミスの原因となる弱みを克服してもらうことの方が組織にとっては重要だということですね。
はりまっちで考えても、少ない人数で運営しているため、一人がさまざまな業務をこなさないといけません。ですから、何かに突出している人よりも、平均点の高い人が活躍できる環境であるのは事実です。私自身も強みを伸ばすことよりも、苦手分野を一般レベルに引き上げることに努力をしています。
起業する場合に例えても、営業が得意で起業しても経理の知識がないと会社は潰れてしまいます。技術力に自信があって起業しても、販売する能力がなければ売上が上がりません。野球でも、バッティングが得意でプロに入っても、守れなければレギュラーになれません。(セ・リーグでは)
基本もできていない状態で、強みだけを伸ばしては、後に大きな失敗を招くリスクがあります。ですから、結論としては、個人にしても組織にしても、順序としてはまず弱みを一般レベルまで引き上げてから、強みを伸ばすのがベストということですね。