会社説明会で、真剣に話しているのに、寝ている学生や退屈そうにしている学生が目に入ると、良い気はしませんよね。これを、学生の受講態度の問題にしてしまうと進歩はありませんが、逆に「自分の話が面白くないんだ」と自分を責めすぎるのも、自信をなくしてしまうため、お勧めしません。改善できることは精一杯するものの、どうしようもない学生は諦めるくらいのバランス感覚が大切です。ただ、少し工夫をするだけで、同じ話をしていても、学生の感じ方が大きく変わることも事実です。そこでTV番組や名プレゼンターと言われる人が使っているテクニックをご紹介します。
飽きさせない会社説明会の基本は、双方向型、参加型です。最も有効なのは、ワークとディスカッションです。要所要所でクイズを出し、グループでディスカッションをしながら考え、発表をしてもらいます。このときの時間設定も大切で、「もうちょっとやりたかった」と思えるくらい短めに設定することがポイントです。ワーク中も「後●分ですよ!そろそろ結論を」などと言って焦らせてください。長い時間を設定してしまうと、学生をより退屈させてしまいます。
クイズは、答えを聞いたときに「へー!」と思わせることができるものにします。次に大切なことは、重要なことを伝える前にはしっかり間を取ることです。これはTV番組「しくじり先生」がとても参考になります。「ヒトラーはここで暴動を起こしてしまうんです」ではなく、「ヒトラーはここでとんでもない行動に出ました……次のページ」といったように、あえて一拍おくことで、集中力が増します。「しくじり先生」の構成は見事で、話下手な人が先生でも、最後まで飽きずに見ることができますので、参考にしてみてください。
この間を取るときに有効なのが、以前ご紹介した本「伝え方が9割」で教えてくれているクライマックス法です。クライマックス法とは、大事な話の前に「他では話さないのですが」ここだけの話にしといてくださいね」「一度しか言いませんよ」「ココ、面接で聞きますよ」などと興味をそそるワードを入れることです。そうすることで、眠そうにしていた学生もしっかり話を聞いてくれるようになります。
これらを取り入れるだけで、学生は集中力を切らさずに2時間過ごすことができ、志望意欲を高める説明会に近づくと思います。