第161回 「採用できた」「採用できなかった」では再現性がない。

今年度の採用活動を振り返る際「今年は採用できた」「今年はダメだった」と結果だけで成否を判断してしまうと、次年度の戦略立案時に何を改善し、何に注力するのか、曖昧になってしまいます。

たまたま今年度は採用できたとしても、再現性が無いので来年度も同じように成功できるとは限りません。失敗した場合は尚更で、どこが悪かったのか、何を改善すればいいのかが分からないため、次年度も同じ理由で採用目標未達になってしまうことになります。

採用成功・失敗に関わらず、数値で振り返ることは次年度の戦略立案のうえで極めて重要です。まずは採用フロー毎の数値を振り返ってください。たとえば、内定承諾率、最終面接通過率、インターンや会社説明会から選考への移行率などです。

ここでのポイントは、「数」だけでなく「率」に着目することです。就活時期の分散化、就活手段の多様化、労働人口減少時代において、いかに「率」を高められるかが社名で勝負できない企業の勝ち筋になるからです。

特に企業側の努力次第で高めることができる「率」こそが改善余地が最もあるところです。企業側の努力で高めることができることとは、「内定承諾率」や「インターンや会社説明会から選考への移行率」「合説からインターンや会社説明会の移行率」「オファー承諾率」などです。この当たりの数値が次年度のKPIとして設定すべき数値となります。

そして採用終了時だけ振り替えるのではなく、定例で進捗を確認し、KPI数値が悪ければ、途中でもオファーの文面を変えたり、インターンの内容を変えたりするなどの対策を施します。このこまめなKPI数値の検証が、採用成功への着実な一歩となります。