第160回 採用フェーズ毎に辞退理由を潰していく。

セールスのマニュアルや研修では、クロージング(購入の決断を促すこと)後に断られないために、商談のフェーズ毎に買わない理由を一つひとつ潰しながら進めていくよう指導されています。

買いたいと思っていない相手にいくら流暢にプレゼンをしても断られるだけだからです。お客様のお困りごとを把握し、それが自社なら解決できることを先に伝えてプレゼンの承諾を得ないと、熱量の高い説明も聞く耳を持ってくれません。

採用活動も同様で、内定を出した後にいきなり承諾を迫ると辞退される可能性がグッと高まります。そうさせないためには、内定を出すまでの途中フェーズから辞退の理由を潰していく必要があります。

具体的には選考を通じて学生の入社動機を一緒に作っていくつもりで、会う度(採用フェーズ毎)に動機付けを行っていくことがポイントです。この意識が無く、 「選ぶ」視点だけで選考を進めていくと内定後辞退の確率は大きく上がります。

学生も次の選考に呼ばれたらとりあえず行くものの、いまいち他社との違いも分からなかったり、会社での活躍イメージが持てなかったりの状態です。この状態で内定をもらっても、結局決め手に欠けて辞退する可能性は高くなりす。

選考ステップが進む毎に自社との接点や評価ポイントをしっかりフィードバックしたり、他社じゃなく自社のほうが幸せになれることを伝えたりして、入社動機を学生自身で言語化できるよう支援していってください。

フェーズ毎に学生の心理状態は異なります。それらに合わせて「何が刺さるか?」「このフェーズでのゴールは?」等と伝える内容を分解し、採用活動を点ではなく線でデザインしていくことが重要です。