第162回 「今のうちにいっぱい遊んどけ」は志望度を下げるかも。

若手の人材不足やパワハラ防止法などを背景に、優しい上司が増え、働きやすい職場環境が整いはじめています。一方、職場が「ゆるすぎる」「この上司の下にいたら成長できない」と危機感を覚えて退職をする いわゆる「ホワイト過ぎて辞める」若者が増えています。

そこでここ数年注目されている言葉が「キャリア安全性」です。「今の仕事をこのまま続けても成長できない」「転職できない、しても通用しない」「学生時代の友人と比べて差をつけられている」などと感じさせる職場は「キャリア安全性」が低く、離職に繋がりやすくなります。

先の見えない不安定な時代を生きてきたZ世代にとって「安定」とは、会社に求めるものではなく、自分がどこに行っても通用するスキルを身に付けて掴み取ることだと解釈しています。

就活時に企業を選ぶ際も「入社後のキャリアモデル」が大きなポイントになっています。

会社説明会等では、どんな研修があって、どのようにキャリアアップしていくのか明確に伝える必要があります。

更に効果的なのがインターンシップや面接などでしっかりフィードバックを行うことです。社会人の視座から的確なフィードバックを行うことで「この職場なら成長できそう」と志望意欲が高まりやすくなります。

また、内定後も負担にならない程度に内定者研修を実施し、フィードバックを繰り返すことで入社後の成長もイメージできるようになります。

「入社までにしといたほうがいいことはありますか?」この学生からの定番質問に対する「今の内にいっぱい遊んどけ」は、Z世代にとって志望度を下げるリスクのある回答かもしれません。