第150回 その会社説明会、本当にオフラインじゃなきゃだめ?

「あれならオンラインで十分じゃないですか?」

ある会社説明会に参加した学生が放ったこの言葉。この会社の説明会では採用担当者が2名登壇し、会社概要や仕事内容、福利厚生、選考スケジュールが説明され、約1時間30分で終了したそうです。

この学生はこれまで多くのオンライン、オフライン(対面)の会社説明会に参加しており、同社はその中で最も満足度が低かったようです。そして「時間と交通費をかけて行ったのに、オンライン以下のコンテンツでした」と厳しい言葉が続きました。

他の会社では、オフラインの場合は、お洒落なオフィスが見学できたり、実際の仕事体験ができたり、グループワークをしたり、若手社員とランチをしたりするなど、対面だからこそできるコンテンツがほとんどだったそうです。

オンラインの場合は、クイズ形式の会社説明やチャットで質問し放題の先輩座談会、バーチャル社内見学会等、オンラインだからこそのコンテンツを取り入れた説明会が中心だったそうです。そんな中、この会社は会社説明だけなのに対面開催で、かつ他のオンライン説明会よりも劣るコンテンツだったため、志望意欲は一気に減退し、選考は受けないと判断したそうです。

2019年まではオフライン開催が当たり前だった会社説明会や面接は、2020年のコロナ以降、オンラインが主流になりました。この変化により、オフラインで開催するなら「なぜオフラインでやるのか?」の問いに対して、きちんと言語化して伝えていかなければ、求職者に不信感を与えることにもなりかねません。

そもそもこの会社説明会や面接は、オンラインではだめなのか?なぜだめなのか?オフラインで開催する意味は?等、オフライン開催の目的、意味からぜひ再考してください。その結果「オフラインでないとだめ」という結論なら、その理由を求職者へ伝え、納得してもらえるコンテンツを作る必要があります。

思考停止のオフラインは、受け入れられなくなってきています。